王ヶ頭・王ヶ鼻(八丁ダルミコース・木舟コース)

レベル:
山行日: 2010.07.19
79
標高:2034m
王ヶ頭・王ヶ鼻(八丁ダルミコース・木舟コース)

美ヶ原高原は長野県松本市、上田市、小県郡長和町(ちいさがたぐんながわまち)にまたがる600haの台地。最高峰の王ヶ頭(おうがとう)は標高2034m。他に王ヶ鼻(おうがはな)標高2008m、茶臼山(ちゃうすやま)標高2006m、牛伏山(うしぶせやま)1990m、物見石山(ものみいしやま)標高1985m、武石峰(たけしみね)標高1973m、焼山(やけやま)標高1907mのピークがある。本州のほぼ中央、八ヶ岳中信高原国定公園の最北部に位置する。日本百名山のひとつ。夏は牛が放牧されています。
美ヶ原高原への登山コースはいくつもあります。今回ご紹介するコースは、王ヶ鼻(おうがはな)に行く最短の登山コースの八丁ダルミコースと、同じ石切場から登れる木舟(きふね)コースを帰り道にする、行き帰り違う道を楽しめるコースです。

私が持っている登山地図「2008年版 山と高原地図 32 八ヶ岳」(昭文社)には八丁ダルミコースは登山道として描かれているのですが、木舟コースは記載されていないため、この地図を登山口で見るまで全く知りませんでした。
2008年に八丁ダルミコースを登ったときには道標があまりなかったような気がするのですが、今は新しい道標が立てられとてもわかりやすくなっています。
登山口でこの地図をデジカメで写真撮影すればわからなくなったら画面で確認しながら歩けますね。

アクセス方法

マイカーの場合:松本I.C.から国道158号線を東に向かい松本城方面に行きます。松本城のの北側の道を通りさらに東に向かいます。正面には美ヶ原が見えます。信号機「惣社(そうざ)」で右手方向に進みます。そのまま道なりに進み、途中で左折して林道よもぎこば線(アザレアライン)に入り三城(さんじろ)に向かいます。三城いこいの広場で車を停めます。
公共機関利用の場合:松本バスターミナルから松本電鉄バス「美ヶ原高原美術館線」に乗り、バス停「三城荘(さんじろそう)前」で下車。運行日が限定されているのでご確認下さい。問い合わせ先:松本電鉄 電話0263-32-0910
三城の駐車場・バス停「三城荘(さんじろそう)前」からは徒歩で40分ほど車道を下ります。

石切場登山口~王ヶ鼻(八丁ダルミコース) 90分

登山口(標高約1370m)から二人ノ小道の分岐(標高約1880m)までは約70分
二人ノ小道分岐から王ヶ鼻(標高2008m)までは約20分

木舟コースとの分岐を左に登って行きます。
登山口から20分ほど歩くとこんな芸術的なケルンがあります。左側の石の積み方が繊細でとても美しいと思いませんか?

木立の中を歩いていきます。

標高1800mくらいで視界が一気に広がります。
二人ノ小道との分岐の道標がとてもわかりやすくなっていました。
二人ノ小道分岐を過ぎると一番の急坂があります。平らな石(鉄平石)が多く滑りそうなので下りは特にお気をつけて。

王ヶ鼻の直下。あともう少し。石畳のように鉄平石が敷き詰められた道を登ります。ここからの眺めもとても素晴らしいです。

王ヶ鼻(標高2008m)


北アルプスを眺めながらの食事は最高ですね。
近くにいたおじさんたちが、「目の前には北アルプス、振り返れば富士山。ぜいたくだね~。」と喜んでいました。富士山を見るなら午前中の方がいいですね。夏は湿度が高く霞んで見えないことが多いので見れたらとてもラッキーな日です。

王ヶ鼻~王ヶ頭 25分


7月の美ケ原にはトンボがたくさん飛んでいました。あまりにも数が多くて怖いくらいでした。(笑)

この分岐の手前にも分岐がありました。その分岐のほうが目立つのですが、王ヶ頭には直接行けません。私は途中で気がついて引き返しました。

王ヶ頭(標高2034m)



王ヶ頭にも案内図が立てられていました。登山口のものと若干違います。どこが違うかわかりますか?地図が小さくてわからないですよね。すみません。
「アルプス展望コース」が描かれているこちらの案内図のほうが新しいものです。平成22年6月に描かれたものです。案内図PDF

何回も登っている王ヶ鼻なのに毎回全く気がついていなかったのですが、王ヶ頭ホテルの横に祠がありました。天狗が両脇にいるのもおもしろいですね。

王ヶ頭~石切場(木舟コース経由) 65分

王ヶ頭からダテ河原コースとの分岐まで15分
ダテ河原コース分岐から二人ノ小道との分岐まで5分
二人ノ小道分岐から登山口まで45分
王ヶ頭のほうが王ヶ鼻から下るよりも滑りにくいような気がします。

二人ノ小道との分岐で上を見上げるとこんな感じ。

二人ノ小道分岐から15分ほど歩くと登山道に大きな石が転がっていました。大雨の時には要注意の場所だと思います。

さらにそこから15分ほど歩くと急坂になります。
道幅も広く草が生えているので石だらけの所よりも楽なのですが、足が勝手に前に進んでしまうので意外に疲れます。
石切場から王ヶ鼻に行く八丁ダルミコースの冬の様子は「王ヶ鼻」をご覧下さい。

感想

八丁ダルミコースも木舟コースも人通りの少ないとても静かな登山道です。
前日にダテ河原コースを歩いたのですが、ダテ河原コースのほうが花の種類が多く、登山道自体も変化があるように思います。
八丁ダルミコースはほとんど針葉樹の森の中を歩くためとてもシンプルな登山道です。歩いているうちに心もシンプルになるような気がします。王ヶ鼻で北アルプスを眺めながら涼風に吹かれていると「これほどの幸せはない」と思えてきます。
【2010年7月19日 登山者・記事:アルプスちえみ】
たっぷり時間があれば
ダテ河原コース や 百曲りコース・アルプス展望コース と組み合わせて楽しめます。